パンを英語でいうと「bread」です。

パンを英語でいうとbreadとなるのは、皆さんご存知でしょう。パンというのは英語であると、子供の頃思っていた人もいるかもしれません。しかしパンはpainで、元々はフランス語です。ところでこのbreadという単語ですが、ひと固まりの食パンをいう場合はloafといいます。食パン以外の大きな固まりはhunkを使います。また薄く切った1枚分はsliceです。他にも形によってbunとかrollという言葉を使うこともあります。トーストしたパンはもちろんtoastです。

中期英語ではbredまたはbreedと綴られていて、欧米や中東などでは昔から主な食物の一つとなっていました。インドや中東のナンや、中南米のトルティーヤなどもすべてパンに含まれます。またパンの伝統の長い国では、国によって形や種類が異なり、フランスでは棒状のバゲットが好まれる一方で、イギリスではいわゆるイギリスパン、食パンが好まれたりします。またスコーンや、一部のファーストフード店で売られているビスケットもパンの仲間です。中国では餅の字が宛てられ、いわゆるマントウもパンとみなされています。

日本においては、安土桃山時代に入って来たといわれていますが、広く普及し始めたのは明治時代になってからです。おなじみのあんパンやメロンパンなど、どちらかといえば、お菓子のようなイメージがあるパンが普及する一方で、洋食の普及に合わせて、食パンやバターロールも作られるようになりました。その他にも軍用食や、被災時の緊急食としての乾パン、これは本来はビスケットに似ていますが、パンに数えられることがあります。加工しやすいせいか、サンドイッチやフレンチトーストなど、パンを使った食品も多く見られます。

ところでこのパン、英語のbreadには、単にパン以外にも色々な意味があります。どのような意味かといいますと、日々の糧とか生計という意味です。それから転じてお金という意味もあります。「水の上にパンを投げる」という成句がありますが、これは自分の利害を度外視するという意味です。それ以外にも、「パンのどちらの面にバターが塗ってあるかを知っている」で、利害にさといという意味があり、「パンをねだる」で物乞いという意味があります。

英語圏も元々パンと肉を中心にした食文化があるため、このような成句が出来たのでしょう。日々の糧を意味するせいか、宗教絡みで使われることも多く、聖書には様々な場面でパンが登場しますし、”Bread of Heaven”という讃美歌もあります。またあまり知られていないのですが、breadという言葉は動詞としても使われます。この場合は「パン粉をまぶす」という意味になります。