「主義」を英語で言うと?「○○ism」です。

歴史などでよく「●●主義」という言葉を目にします。また現在でも、アメリカ大統領選挙などにおいて「民主主義」や「実利主義」などの言葉を耳にしますね。では、そんな「主義」。英語ではなんと言うのでしょうか。

最もよく使われるのはprincipleとbelief,そしてdoctrineです。どちらも日本語に訳すと「主義」となりますが、その意味合いは少し異なります。まずprinciple。こちらは「自分の行動に影響を与える、モラルの決まりや強い信条。」という意味。一方でbeliefは「これは正しい行動だという、強い思い。自分が正しいと思っている意見。」という意味です。
doctrineは「教義」と訳されることもあるように、宗教や政府、何かのグループによって教えてもらった信念という意味があるようです。

principleが「行動」に関連しているのに対して、beliefは必ずしも行動とつながっているとは限りません。例えば democratic principleは民主主義の原則という意味になります。これは、民主主義の社会生活と深くつながっていますね。一方で、beliefは、例えば belief about death(死についての信念) のような使われかたをします。実際に死ぬときに何かをするというわけではないので、principleよりもbeliefがあっていますね。doctrineはさっきも述べましたように、宗教や政府など、大きな組織の出す教義・方針という意味になります。意味自体は principle に似ていて、 principle of evolution (進化論)のような使われ方をします。

しかし一方で、「主義」単独でなく、「資本主義」や「大衆主義」のように、「●●主義」としてセットで使われるものについては、もっと簡単な言い方があります。それは「ism」です。正確には、形容詞や名詞の後に”ism”をつけて表現します。populism(大衆主義)、nationalism (ナショナリズム)、 fascism (ファシズム)、communism (共産主義)、socialism (社会主義)など、国際政治だけでなく、日本の政治ニュースでもカタカナ語として使われる言葉が多くみられれます。

しかもこの○○ismという表現、もとある言葉にismをくっつけるだけで使える利便性から、それこそ無限の表現をすることができます。特に有名なのが、人名などの固有名詞にismをつけるものでしょうか。歴史をたどっても、Darwinism(ダーウィン主義。自然選択こそがこの世を動かす原動力だという考えの支持者)Marxism(マルクス主義)、Nazism(ナチズム、ナチス主義)のようなものがありますね。最近ではTrumpism(トランプ主義)という言葉も誕生しています。移民に反対し、気に入らないマスコミをFake Newsという人のことだそうです。